最近気になる著名人vol.5 レイザーラモンHG 早いもので2006年が始まって3ヶ月が経過いたしました。新年早々寒波が日本列島を激烈に襲撃したり、折からの原油高騰と絶妙のマッチングで光熱費がウナギ登ってしまったり、堀江氏が六本木から東京拘置所に引越ししたり、WBCでイチローの喜怒哀楽が豊かになっていたり、永田氏が謝罪の大バーゲンセールを開催中だったりと、わずか3ヶ月の間に色々なことがありましたね。うーんまさに激動の3ヶ月。2006年の滑り出しは上々といったところでしょうか。
さて、春がすぐそこまで来ている今日この頃ですが、今回は今年の厳しい寒さにも関わらず激しく薄着で活躍していた話題のゲイ人、
レイザーラモンHG氏を取り上げたいと思います。あのクソ寒い中あれだけ積極的に肌を露出させている時点で個人的には尊敬に値する人物です。まるで季節感のない小学生みたいですね。冬でも短パンみたいな。
HG氏も東京方面でのTV露出が増え、その素性についてはかなりの部分が公然の秘密的ポジションを形成してきておりますが、ここで再度HG氏の略歴をまとめておきましょう。内容的に新しい事実は含まれていませんのでさらっとお読みください。
HG氏は本名を住谷正樹(すみたにまさき 1975年12月18日生まれ)と言い、兵庫県加古郡播磨町出身で現在は吉本興業所属のお笑いタレントです。ハードゲイとしてのブレイクっぷりばかりが目立つ今日この頃ですが、レイザーラモンHGとは芸名ではなく、もともとは出渕誠とのお笑いコンビ「レイザーラモン」が新喜劇の舞台に立った際に、住谷氏が新喜劇の舞台上で古くから演じてきたキャラクターです。意外と歴史のあるキャラなんですなぁ。
連日連夜お茶の間に向かって腰を振りつづける住谷氏もといHG氏ですが、近年にわかに増殖傾向にある高学歴芸人の一人です。兵庫県立加古川東高校を卒業後、関西私学の雄、同志社大学商学部へと進学しています。同志社と言えば私も浪人時代に受験を志した大学の一つであり、もし入学してたら住谷先輩チワッスとでも言っていたのかもしれません。ま、結局受験しなかったんでどうでも良いのですが。
HG氏は同志社大学在学中に学生プロレスにのめり込み、ギブアップ住谷のリングネームで活躍します。ギブアップ住谷くんって何だか江口寿の漫画みたいですね、というツッコミはさておき、ギブアップくんは当時の学プロの世界では屈指の実力者としてかなりの著名人だったようで、現新日本プロレスのエースの一人、棚橋弘至とも対戦経験があるという猛者であります。そんなギブアップ住谷くんと学プロを通じ意気投合したのが立命館大学で学生プロレスをしていた出渕誠氏でした。この運命的な出会いがレイザーラモン結成、さらにはHG誕生へと発展していくわけです。まさにあの日あの時あの場所で君に会えなかったら僕らは見知らぬ二人のままであります。何と言うか神様の粋な計らいに溢れる涙を禁じ得ませんね。ちなみに「レイザーラモン」とは往年のアメプロの名レスラーであり、プロレスゲームの金字塔であるスーパーファイヤープロレスリングでも隠しキャラとして登場したりしています。
最近のメディアでのHG氏の活躍っぷりを見ると、キャラだけで1発当てた運のいい奴的な印象が強く、「来年は消える芸人」ランキングで上位に食い込んできてしまいがちです。確かに持ちネタはセイとフー(若しくはフォー)しかねーじゃん、という冷めた見方があるのも致し方ありません。しかしながら、大学時代は一つも単位を落とさなかったというくらい根が真面目な住谷もといHG氏の芸人としてのキャリアは「キワモノで勝負」的な薄っぺらいモノではありません。私個人の印象としては、HGとしてよりもむしろ住谷氏に類稀なる芸人としてのセンスを感じるのです。尚、住谷正樹の芸人センスを確認する為には吉本エンターテインメントから発売中(確か)のDVD『ビッグポルノ』を参照されると良いでしょう。素顔の住谷くんの魅力と相方である出渕誠のイタさが満載で3000円はお買い得です。
確かに、HGとしての魅力はメディア側にとってこの上なくありがたい。その意味で、現時点でのヴァラエティ番組における瞬間最大風速を底上げする、アクセントとしてのHGが優先されるということは理解できます。しかしながら、HGというキャラが内包する限界のために、あくまでスパイスの域を出ることが出来ないことも、作り手(メディア)だけでなく、受け手(我々小市民)も感じています。それ以上に、当のHG本人が誰よりも強く実感しているはずです。(その辺りの危機感はメディア等でも時折垣間見せる本音からも読み取ることが可能です)経歴から察するに、元来は秀才タイプの住谷くんですから、現状については一過性の「HGバブル」であることを認識していると思われます。
この「バブル」という状況が生まれてしまったこと自体については、正しいことであったのか否かを判断することは極めて困難です。バブルがなければHGはあくまで吉本新喜劇という枠の中でしか評価されず、「忘年会シーズンにHG変身セットが全国で数万セット売れた」といわれるような社会現象にまで発展することはなかったと間違いなく断言できるわけです。ウチのグループにもその全国数万人存在したHGの一人がいたし。とは言え、バブルとして始まってしまったものは極めてハードランディングを起こしやすく、着地の失敗は即ち過去の人として扱われてしまい、再浮上が不可能な状況に陥る可能性が高い。このリスクを回避してソフトランディングさせることの困難さが想像以上であることは、過去のバブル案件を見ても明白です。ゲッツ!の人とか残念!の人とか。従って今現在において最大の課題は「HG」をいかにしてソフトランディング、つまりは「大ブレイクしたキワモノ」から使い勝手の良い「ゲイ人あるいは芸人」へと自然な形で変貌させるかに尽きます。
ところがここでHGという存在自体が大きな障害として立ちはだかります。HGとしてブレイクしてしまったが為、そしてHGのメディアでの存在意義を維持する為にも、要求されるHG像を演じ、進化(深化)させ続けなくてはならない。しかしながらこの進化こそがハードランディングを促進する因子であることも事実であり、HG延命の為の処置を施すと同時進行でHG突然死のリスクが増大するという、二律背反のお手本のような状況になってしまうわけです。この困難な状況をどのようにして打破するのか、或いは参考となる先人がいるかについて一人のHG(住谷くん)ファンとして慎重に検討した結果、大いなる指針とも言うべき人物を発見しました。それも住谷くんが愛してやまないプロレスの世界に。その人物とは日本が生んだプロレスの天才にして全日本プロレス代表取締役社長、武藤敬司氏です。
武藤氏は現役のプロレスラーとして「武藤敬司」以外にもう一人の「ザ・グレート・ムタ」というキャラクタを持っておいでです。それについては細かくは触れませんが、ベビーフェイスの天才武藤敬司とその対極に位置するヒールのムタという構図は、まさにセンス溢れる芸人住谷正樹とキワモノHGの構図と基本的には同じであると思われます。
この武藤敬司とムタの関係の凄いところは、「武藤とムタは同一人物だけど別人」というコンセンサスをプロレスファンの間に自然に浸透させていることにあります。即ち、ムタがプロレスの試合でどんなに悪いこと(ex.鎖鎌を振り回す、毒霧を噴射する、凶器で乱打する等)をしてムタにブーイングが飛んでも、武藤敬司として登場した時には何の影響もないという点です。そしてその際の大事なポイントは、あくまでもベースは武藤敬司であり、ムタはスポットでのみ登場するという、武藤:ムタ=8:2の露出関係にあります。結果として、武藤はムタを封印することなく、「共存させない両立」とも言うべき状況を作り上げたことで現在の成功を掴んでいると分析できるのです。
この武藤とムタの「非共存的両立」こそがHGソフトランディングの最良のモデルケースであると筆者は確信しています。正直に申し上げて、HGを捨てて住谷で生き残ることはおそらく難しい。最悪のケースではHGと住谷が共倒れをしかねず、しかもそのリスクはかなり高い可能性があります。さらにHGという不世出のキャラクタを封印してしまうことも極めてもったいないことであるとも感じますし、それらを総合的に勘案すると「非共存的両立」を目指すべきであるという結論を導かざるを得ません。住谷:HGの比率がどの程度であれば最も適当であるのかについては今後更なる検討が必要ですが、少なくとも現時点では住谷:HG=0:10と言っていい状況です。この比率を徐々に逆転させていき、最終的には「住谷正樹とHGは同一人物だけど別人」というコンセンサスをお茶の間に浸透させていくことが肝要でしょう。ちょうど先日には元ミニスカポリスとの熱愛報道もされたことですし(ドンキで激写)、それも追い風となるはずです。交際報道以降、メディアでHGと住谷の切り離しをHG自身が試みているフシもあります。日本お笑い界史上最大の困難に立ち向かうHG氏並びに住谷氏の更なる活躍に心からエールを送りたいと思います。
住谷正樹の芸人としてのセンスは本当に素晴らしい。であるからこそHGだけで終わって欲しくないと、痛切に感じる今日この頃、ついつい長ったらしい文章を寄稿してしまいましたことをお詫び申し上げます。え?相方の出渕?うーん、まぁ学歴あるしお笑いが駄目でも何とかなるんじゃないっスか。